2026-09-23
【Dr.スマート】ランナー必見!足首をひねったら必ずチェック!|足首の捻挫(足関節捻挫)
足首の捻挫(足関節捻挫)の重症度(1〜3度)や初期応急処置であるPRICE処置、手術が必要となるケース、自宅で実践できるバランス・腓骨筋強化リハビリ法について医師が分かりやすく解説します。



Q. 足首の捻挫とはどのような状態ですか?
A. まず足首の捻挫とは、一般的に足首をくじいたりひねったりした状態で、足首の安定性を支えている靭帯が損傷することを指します。
足首の靭帯は大きく内側靭帯と外側靭帯に分けられますが、その中でも外側足首靭帯の損傷が多く見られます。
外側足首靭帯は主に前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯の3つに分類され、
損傷した靭帯の部位や本数によって重症度を分けることもあれば、損傷の程度によって区分することもあります。
足首の捻挫を損傷の程度で区分する場合、1度、2度、3度に分類されます。
1度は靭帯に微細な損傷があるか、伸びた状態、2度は部分断裂、3度は完全断裂を意味します。
特に3度断裂の場合は激しい痛みと腫れが生じ、歩けないほどの痛みを伴うことがあります。
この際は足首の骨折とも見分ける必要があるため、必ず病院を受診してX線(レントゲン)検査を受ける必要があります。

Q. 足首の捻挫は必ず手術が必要ですか?
A. ほとんどの足首靭帯損傷は、手術をしなくても回復します。
むしろ急性期、つまり足首が腫れている時期に手術を行うと、術後に創部の問題が深刻化する可能性があり、
術後の痛みによって足首に関節拘縮(強直)が生じることもあります。
そのため、足首の捻挫で手術が必要となるケースは極めて限定的です!
靭帯損傷によって複数の靭帯が完全に断裂し、関節が著しく不安定になっている場合や、
トップアスリートのように高強度の運動が必要で早期復帰が求められる場合にのみ、限定的に検討されます。

Q. では、どのような場合に手術が行われるのでしょうか?
A. 適切な治療とリハビリが行われなかったり、十分なリハビリ運動療法後も繰り返し足首の捻挫が発生したりする、
「慢性足関節不安定症」がある場合には、手術的治療を検討することがあります。
しかし、こうした慢性足関節不安定症に移行するのは足首捻挫を経験した患者様の一部にすぎないため、
ほとんどの足首捻挫は保存的(非手術的)治療で十分治癒可能であるといえます。

Q. 足首の捻挫はどのように治療しますか?
A. 初期対応としては、一般的に「PRICE処置」と呼ばれる方法を適用します。
負傷部位を保護(Protection)し、十分な安静(Rest)を取り、アイシング(Ice)で腫れと痛みを軽減します。
患部を圧迫(Compression)することも回復を促進するのに役立ちます。
最後に、脚を心臓より高く挙上(Elevation)することが推奨されます。
先述した足首捻挫の重症度1度の場合、基本的にギプスは不要で、
初期の1週間程度、足首サポーターなどで保護する形となります。
2度や3度の場合はギプスを約2週間装着し、損傷の程度に応じて追加で装具を使用することもあります。

その後は回復運動やリハビリ運動を行う必要があります。
主に足首の筋力強化運動と、医学用語で深部感覚(固有受容感覚)運動と呼ばれるバランス感覚を養うこと、
この2点を覚えておくことが大切です。
Q. 自宅でできるリハビリ運動を教えてください。

A. まずは片足立ちになり、かかとを浮かせてキープする運動です。
最初は1秒、2秒からキープし、最終的に15秒ほど維持できるよう運動を進めると良いでしょう。


量販店やオンラインショップなどで手頃に購入できるバランスボードを用意し、
その上で倒れずにバランスを保つことも、同様に固有受容感覚を養う優れたトレーニングになります。
足首の安定性は靭帯だけで保たれているわけではありません。
足首を取り囲む筋肉や腱も一体となって安定性を支えており、
その代表的な筋肉が足首の外側に位置する腓骨筋(ひこつきん)です。
腓骨筋を自宅で簡単に強化できる方法をご紹介します。

市販のエクササイズバンド(ゴムバンド)などを利用し、
足首を外側へと向ける外反運動を行うことが、再度の足首捻挫を予防する効果的な運動法となります。

足首を捻挫した後に早すぎる激しい運動への復帰は禁物ですが、逆に長期間安静にしすぎることも決してプラスにはなりません。
1〜2週間の保護・安静期間を経た後、積極的にリハビリ運動に取り組むことが、健康な足首を取り戻す秘訣です。
足首の捻挫は早期の正確な診断と適切な治療が重要な疾患ですので、まずは医療機関を受診して正しいケアを受けてください。

よくある質問
足首を捻挫したら必ず手術が必要ですか?
いいえ、ほとんどの足首捻挫は手術を行わずに回復します。急性期に手術を行うと関節拘縮や創部トラブルのリスクがあるため保存的治療が基本です。複数靭帯の完全断裂による重度の関節不安定性や、リハビリ後も慢性足関節不安定症が続くなど限定的なケースでのみ手術を考慮します。
足首をひねった際の初期応急処置はどうすればよいですか?
初期処置には「PRICE処置」の実践が推奨されます。ギプスやサポーターで患部を保護(Protection)し、十分な安静(Rest)を取り、アイシング(Ice)と圧迫(Compression)で腫れを抑えます。さらに、脚を心臓より高く上げる挙上(Elevation)を並行して行いましょう。
足首捻挫の「3度損傷」とはどのような状態ですか?
靭帯が完全に断裂した状態を指し、強い痛みや腫れによって歩行困難になることがあります。骨折と症状が似ているため、必ず病院でX線撮影を行って正確な鑑別診断を受ける必要があります。治療では約2週間のギプス固定を行い、状態に応じて装具を追加します。
足首を痛めた後、自宅でできるリハビリ運動は何がありますか?
片足立ちでかかとを浮かせてキープする運動や、トレーニングバンドを使った外反運動が効果的です。片足立ちは15秒キープを目標とし、バランスボードの活用も効果的です。バンドで足首を外側へ引き上げる運動は、足首を支える腓骨筋の強化に役立ちます。